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環境ニュース[国内]

浜岡原発4号機のコンクリート用骨材試験で不正発覚 中電が保安院に報告

エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.10.13 【情報源】原子力安全・保安院/2004.10.13 発表

 中部電力(株)浜岡原発4号機建設に携わった骨材製造会社・小笠開発(株)の元従業員が、建設当時(着工:平成元年2月、運転開始:平成5年9月)、コンクリート用骨材の品質を保証するアルカリ骨材反応性試験(注1)の不正があったと告発した件について、中電は平成16年10月12日、不正は事実であったとの調査結果をまとめ保安院に提出した。
 報告によると、当時の関係者への聞き取り調査を行ったところ、計8回行われたアルカリ骨材反応性試験のうち数回の試験について、小笠開発の元社長と元従業員1名が試験成績書の改ざんや試験サンプルのすり替えを行ったことが確認されたという。
 ただし、中電では(1)現場目視点検でひび割れは認められていない、(2)最新のJISに基づき4号機コンクリートのアルカリ総量を算定したところ、アルカリ総量はすべて規制値(1立方メートルあたり3.0キログラム)以下であった、(3)運転開始後に中電が計画的に行っているコンクリート強度測定(反発度法による非破壊検査)でもコンクリートは設計基準強度を満たしている−−などの状況から、「4号機のコンクリートは安全性が確保されている」と報告したほか、1、2、3、5号機の建物・構築物のコンクリートについても、(一)1、2、3号機はひび割れが認められず、コンクリートの推定強度は設計基準強度以上、(二)5号機は小笠開発が関与していないアルカリ骨材反応試験で無害性を確認しているほか、アルカリ総量は規制値以下で有害なひび割れも認められない−−としてやはり「安全性が確保されている」と報告。
 また再発防止対策としては(A)改竄防止のため、中電が試験成績書本書を公的試験機関から直接受領する、(B)すり替え防止のため、試験サンプルの採取、試験機関への発送に中電側が立ち会う−−との内容を示している。
 なお報告を受けた保安院では、10月14日・15日の両日、浜岡原発で現地調査を行い、報告内容を精査・確認していくとしている。

(注1)骨材に含まれる反応性シリカ鉱物や炭酸塩岩がコンクリート中のアルカリ性水溶液と反応し、コンクリートのひび割れ現象(アルカリ骨材反応)を発生させないよう、あらかじめ骨材の反応性を測る試験。【原子力安全・保安院】

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